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2017年06月の記事一覧

【名車紹介】加藤一氏のエルス「LONGCHAMP」をみてきました

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神奈川県茅ケ崎市にて開催の「自転車の世紀展」に行ってきました。
展示自転車の中の1台、1969製作 ルネ・エルス「ロンシャン」を本稿では紹介します。

chigasaki bijyutsukan

ルネ・エルス(1908~76)はフランスの名工で「パリの宝石」と称されるほど美しく贅沢な自転車を精力的に製作し、昭和中期以降の日本の自転車文化にも影響を与えた故人です。エルスは日本人向けにも数百台の自転車を作成しましたが、その中でも沼勉氏がオーダーした「RANDONNESE(ランドヌーズ)」と加藤一氏の「LONGCHAMP(ロンシャン)」は研究素材とされ格別なあつかいをされている名車です。

加藤氏は元競輪選手で、引退後はフランスに移住し画家として活動され、沼氏の紹介でエルスの工房を訪れ、オールメッキのこの現車をオーダーしたそうです。時期としては沼氏の「ランドヌーズ」のオーダーの2年後の69年のことで、加藤氏は沼氏のオーダー時にも立ち会っていたそうです。

 

lyli herse

エルスの自転車は1954年に日本の自転車研究の第一人者である鳥山新一氏が初めて国内に持ち込み、以来、東叡社やニューサイクリング誌を選好する当時の趣味人によって日本のツーリング車の理想像とされてきました。60年代後期は比較的舶来部品も容易に入手できるようになり、日本からの難しい注文も増加していた時期のようです。

 

herse longchamp

「ロンシャン」は簡易のマッドガードが付いたロードバイクで、ホリゾンタル型の美しいシルエットをしています。ダニエル・ルブールの線画カタログでは、コロンバス製のフレームとなっていますが…

 

rene herseフレームパイプはレイノルズ社製のマンガンモリブデン合金、加藤氏の注文でロゴは白い塗料で手書きされています。そして、ボトル台座の位置がダウンチューブではなくシートチューブになっています。

 

 

reneherse stem

ジュラルミン鍛造の角材から削り出された完全ハンドメイドのエルス自作のステム。突き出し部が空洞でブレーキワイヤーのストッパーが設けられています。

reneherse stem

 

 

 

 

reneherse longchamp   bluemels
左/ ブレーキワイヤーは穴あけ加工されたフレーム内に取りまわされている
右/ リアのテールに反射板の付いたブルーメルの簡易フルフェンダー

 

 

colombus

 

駆動系などのパーツは「MILANO-SAN-REMO」のレーシーな仕様にカスタマイズされています。

campagnolo 1969      huret reneherse
右 /Fメカはカンパのレコード、フロントギアはトリプル
左 /リアメカはカンパのヌーボレコード 6スピードの高速仕様

 

– –

herse milan-sanremo
▲ 参考 -レイノルズフレームにカンパドライブの「MILAN-SAN-REMO」

– –

 

 

1969 saddle

サドルはユニカのブラックの革貼り

 

longchamp 1969

ブレーキはシートステイに設けられた台座を使用、ブレーキアーチ内側とタイヤの間にドロヨケを通されています。

 

reneherse 1969

| Longchamp ロンシャン (1969年製)

<SPEC>
フレーム: レイノルズ531 クロモリ シルバーメッキ
変速:カンパニョーロ 3×6速
ブレーキ:ワインマン センタープル
タイヤ:クレメン ロード用
サドル:ユニカ
ステム:エルス
ドロヨケ:ブルーメル
ペダル:カンパニョーロ

 

 


 

 

chigasakimuse

この「自転車の世紀展」では東叡社のツーリング車 1968製「パリ・ブレスト・パリ」とあわせてわかりやすく展示してありました。

herse paris-brest toei paris-brest
左/エルス「PARIS-BREST」
右/東叡社「パリ・ブレスト・パリ」

 

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LEZYNE USB充電の前照灯「HECTO DRIVE」に新色追加

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レザインの大光量LEDライト「HECTO DRIVE」に新色が追加されました。

lezyne hecto

マウントレスで簡単にハンドルバーに着脱できるコンパクトボディの人気のLEDライト「HECTO DRIVE」の新色のブルーとレッドが登場です。ハイパワー/ローや点灯/点滅モードがあり、最大400ルーメンのハイパワーで1時間使用可能です。価格そのままで従来品よりより明るくなっていてボディに色が付いただけでなくちゃんと進化しています。

lezyne usb

CNC削り出し仕上げのボディをアルマイト加工し美しい外観となっています。
ワイヤーなしで充電することができ経済的でエコロージー、耐水性も非常に高く雨でももちろん使用できますし、汚れたら水洗いも可能です。重量もマウント込みで82gと軽量、充電式ですので乾電池も不要です。

lezyne hecto

本体価格は3990円
近日入荷予定です。

lezyne hectodrivelezyne hectodrive

ブラックとシルバーも好評発売中です。

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MKS 最高級両面踏フラットペダル「SYLVAN TOURING NEXT」

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1979年の発売以来、いまも絶大な人気を誇るMKSのラットトップ型ペダル「SYLVAN TOURING」に従来のカップ&コーンからメンテナンスフリーで回転性能の良いトリプルシールドベアリング(※)を採用したハイスペックシリーズ「NEXT」が発売されました。

mks sylvan touring next

 

鏡面メッキ仕上げされた美しいアルミ製ボディに滑り止め山型トレッド部を上下対称につけたクロムメッキの側板、従来から変わらないデザインと踏み心地のまま効率よくペダリングできるようにスタックハイトが見直され重量も53g軽くなりました。

 

mikashima sylvan

左右幅広な踏み面となめらかで回転抵抗が少ないベアリングは、疲労を軽減しペダリング効率を高めるため長距離ツーリングに最適です。またクオリティを求めるビンテージ車にもマッチします。

重量は338g、本体価格は7000円で
2017年6月発売です。

三ヶ島のペダルは100%日本製です。
また、2600人の競輪選手そのすべての選手が使用しているメーカーです。

 

 


 

MKS ezy next

工具なしでペダルの着脱が容易にできる「Ezy Superior」システム採用タイプ「SYLVAN TOURING NEXT Ezy Superior」も同時発売、価格は11,600円です。
三ヶ島のシルバンペダルシリーズで「Ezy Superior」対応は現在このペダルのみです。

 

 


 

トリプル シールド ベアリングとは

mks pedale

 

 

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青山アートスクエア「自転車とモード展」をみてきました

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青山アートスクエアで開催中の「自転車とモード展」を見に行ってきました。

aoyama art square

青山アートスクエアは、伊藤忠商事の東京本社ビルの隣で、同社の社会貢献の一環として運営されているアートギャラリーです。毎年5月に、日本サイクリング協会や自転車文化センターなどの後援を受け、自転車に関する催しが開催されています。

 

aoyama art square
2017年は「自転車とモード展」と題し、八神商会の門外不出のコレクションを大型ポスターや錦絵とともに自転車の黎明期からの変遷を振り返る企画展です。

 

 

 

yagami cycle

自転車関連企業でもない伊藤忠商事が、自転車展を開催するとだけでも自転車屋としては嬉しい話なんですが、毎年継続的に入場無料で開催しているというから驚きです。

 

humber cycle

展示の自転車は20台はどあり、当時の販促ポスターと一緒に展示することにより、自転車の特徴や雰囲気などが伝わるだけでなく、単なる実用品である自転車が本来の姿を超え芸術作品となっています。回を重ねているだけあって、小規模ながら見どころも十分です。

 

tricycle     vintage cycle

 

 

全く自転車に興味がない人にもわかりやすいうえに、自転車の研究者でもほとんど目にしたことのない貴重な自転車が並んでいます。なかでも1890年代のフランスの一輪車「モノサイクル」は、世界に2台しか現存せず非常に貴重な展示となっています。もう一台は、米国のスミソニアン博物館が所有しているようです。

monocycle

monocycle detail  1895 bicycle

 

 

1932年製のロイヤルエンフィールド社の婦人用自転車を囲むように、自転車が描かれている明治から昭和初期の錦絵25点が、現在の同じ場所の写真ともに展示。明治から昭和初期、東京という都市が、自転車の普及とともに成長し今に至っていることがわかります。

現在は自転車をママチャリと呼称するほど女性にまで普及していますが、女性普及率が1割を超えてきたのは昭和中期以降のことで、当時は裕福な家庭で育った活発な女学生や緊急をようする産婆(助産師)など一部の人に限られていました。

royalenfield

 

 

1868年製ミショー型自転車

michaux
ミショー型は1860年に発明された前輪駆動の自転車で、地面に足をつけずにペダルをこいで走行できる最初の自転車です。その後、85年にスターレーによってチェーンドライブ式の安全型自転車が販売され、88年には空気入りタイヤがダンロップ博士によって発明され飛躍的により心地が向上。そして、1902年にはアメリカでライト自転車会社のライト兄弟が初の飛行に成功します。

 

 

「自転車とモード展」は5月28日(日)まで開催されています。

 

aoyama cycle

 

 

|| 青山アートスクエア

住所:東京都港区北青山2-3-1
運営:伊藤忠商事株式会社
アクセス:東京メトロ 銀座線駅「外苑前」 徒歩2分
営業:11:00-19:00
料金:入場無料

 

| 自転車とモード展

itochushoji 2017

 
|| 八神商会
<沿革>

1949年  八神史郎氏、名古屋地区最大の自転車メーカー日帝工業入社
1951年  史郎氏、日帝の貿易部門にてアジア輸出配属
1959年  伊勢湾台風で日帝が壊滅的被害、史郎氏が貿易部門を引き継ぎ八神商会を設立
1960年  八神商会、台湾現地法人を設立
1996年  名古屋市内に「サイクルギャラリーヤガミ」を開設
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バイクパッキングにオススメのサイクリング車 6選【2017年版】

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米国北西部オレゴン州を発信源に、広がりつつある新しい自転車ツーリングスタイルバイクパッキング。金属製のキャリアを使用せず高性能の大型バッグを使用したアウトドアスタイルは本場米国では、マウンテンバイクやファットバイクを使用するライダーが多いようですが、ランドナーやパスハンターなど独自のツーリング文化をたどってきた日本において、今後どのようにバイクパッキングが受け入れられていくのかまだよく分からない状態だと思います。

マウンテンバイクブームが再燃する可能性はあるかもしれませんが、2017年の各メーカーのラインナップのなかで比較的販売動向の良いドロップハンドルのツーリング車(グラベルとかシクロとか言ってますが…)を6台選んでみました。タイヤ幅は700x35cでディスクブレーキ採用の車種を中心に選んでいます。

 

 

gios mito【メーカー】gios
【商品名】mito
【本体価格】¥115,000
【重量】11.9kg
【カラー】ブルー/パープル/グリーン
【特徴】まさにお手本のようなクロモリ製のグラベルロード。駆動パーツに新型シマノSORA採用。

 

 

fuji fether cx
【メーカー】FUJI
【商品名】feather cx+
【本体価格】¥105,000
【重量】11.0kg
【カラー】ブラック/ブルー
【特徴】仕様としてはgios「mito」に似ているが前ギアがトリプルではなくダブル。後ブレーキワイヤーがトップチューブ上側に取りまわされている。

 

 

 

araya_muddyfox
【メーカー】ARAYA
【商品名】MuddyFox CX Gravel
【本体価格】¥100,000
【重量】11.5kg
【カラー】ブラック/イエロー
【特徴】カーボンフォーク&クロモリ製テーパードヘッドチューブで高い剛性。もちろんリムもARAYAで悪路も心配ない。

 

 

 

bruno 700c
【メーカー】bruno
【商品名】700c Speed Touring Drop
【本体価格】¥140,000
【重量】10.4kg
【カラー】ブルー
【特徴】2×10速コンポに細めタイヤ。カンチブレーキ採用の舗装路向けのスピードツーリングタイプ。

 

 

 

gt grade
【メーカー】GT
【商品名】GRADE _alloy sora
【本体価格】¥98,800
【重量】11.0kg
【カラー】スチールブルー
【特徴】ハイドロフォーミングのアルミ製フレーム。湾曲したチェーンステーとトップチューブに溶接されたシートステーという特徴的な後三角。

 

 

 

giant anyroad
【メーカー】GIANT
【商品名】anyroad 3
【本体価格】¥95,000
【重量】10.8kg
【カラー】シルバー
【特徴】ハイドロフォーミングのアルミ製フレームに3×8速ギア仕様。ヘッドチューブから後車軸にかけて弧を描くようなサイドからのシルエット。

 

 

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