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世界遺産の熊野三山へとつながる大阪の旧街道 熊野街道を自転車でゆく旅を意気込んで計画してみたものの、実際に天満橋からスタートすると歴史街道の旅は、散らばった日本史の跡を散策するため時間がかかり、思ったように先に進まず、泣く泣く予定を変更。

当初は1日目で堺市あたりまでは行こうと考えていましたが、牛車のごとき遅さで、ハードルを大きく下げ、数日に分けて大阪市内の「王子」を制覇することに目標を変更することにしました。

 

 

 

【第2王子】坂口王子 (南大江公園) → 【第3王子】郡戸王子 (高津宮)  所用時間 10分

 

 

 

起点の天満橋から第1王子の窪津王子第2王子の坂口王子と走り、今回は第3王子の郡戸王子のある谷町九丁目にある高津宮を目指します。

 

南大江公園(坂口王子) ~ 榎木大明神

ありふれた児童公園の片隅にあった坂口王子から日を改め再出発すると目の前にご神木がありました。立て看板によると、樹齢650年、楠木正成が植樹したという言い伝えもあり、白蛇を祀る祠を立て代々、土地神として守ってきたようです。

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ご神木のわきの石段を自転車を降りて、大通りの長堀通りを渡ると、大阪空襲の戦火を免れた空堀地区となります。昔ながらの長屋、商店街、文化住宅など風情のあるまちなみは、映画「プリンセストヨトミ」のロケに使用されました。

 

直木三十五記念館 ~ 高津宮(郡戸王子)

 

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古い家屋を改装した「直木三十五記念館」。小説家の直木三十五が、このあたりの出身らしく記念館が作られています。文学についてはあまり詳しくないので「直木賞」の直木三十五といったことくらしか知りらず、興味もあまりないので今回は素通りし、目的地の高津宮へ向かいます。

 

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高津宮に到着。

第三王子の郡戸王子はこの神社の境内にあるため、自転車を置いて石段を上がります。この石段は明治後期に氏子から奉納され、横から見ると二等辺三角形のような形状をしていて、男女で双方から登り相性を見る縁結びの坂「相合坂」となっています。

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坂の上は舞台の様になっていて、何やら坂田藤十郎の絵が飾られています。

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歌舞伎に縁があるのか、ラブリンこと片岡愛之助の石柱を発見!

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ラブリンと紀香もこの相合坂を登ったのでしょうか。
直木三十五以上に両氏には関心がありませんが…

この神社は桜がきれいで、私も毎春この神社の隣のカフェのテラスで花見をしていましたが、そのカフェがコロナの影響なのか、なくなっていてショックでした。

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「早く、コロナがなくなり、以前の様にまた花見ができますように」

 

郡戸王子の場所は歴史書からの推定地で、確証はないそうですが、境内にそれを示す石柱がありました。

 

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熊野信仰は中世に修行的性格を持つ厳しい信仰でした。世の中が安定するとしだいに、物見的遊山的な参詣が主流となり徐々に衰退していきました。明治以降は王子社の併合が増え跡地すら分からない王子が増えていきました。1960年代になり那智大社の宮司の努力により戦争により中断していた研究・調査が再開され、巡拝道が世界遺産へと認められたそうです。

 

次は大江神社にある上野王子に向かいます。

 

 

大阪市の九十九王子

第1王子  窪津王子 (坐間神社)
第2王子  坂口王子 (南大江公園)
第3王子  郡戸王子 (高津宮) ←いまココ
第4王子  上野王子 (大江神社
)
第5王子  阿倍王子 (阿倍王子神社)
第6王子  津守王子 (住吉大社)