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チェーン式自転車誕生から140年、1/8と3/32規格が広く普及

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しばらく投稿しないうちに時代が平成から令和になってしまいました。
令和元年、おめでとうございます。

令和元年、西暦2019年はチェーンドライブ式自転車が誕生してちょうど140年になります。現在では一般的な前ギアと後ギアを使用する後輪駆動のチェーン式自転車は、1879年に英国人のローソンが発明しました。これにより自転車の速度や安定性が向上し、以前までの前輪が大きなダルマ型自転車は消滅してしまいました。

この140年間、ベルト式やシャフトドライブなど様々な駆動方法が生まれましたが、自転車の駆動方法はチェーンドライブにまさるものはないように思います。オリンピックやツール・ド・フランスなどの参加車はすべてチェンドライブであり、耐久性やメンテナンス性、重量、生産コストなどを総合的に考えても、令和時代も引き続き自転車の駆動方法はチェーン式となるのは間違いないでしょう。

izumi plated

チェーンはリア変速の数や規格で厚みや種類が変わります。2019年4月に大阪市内で使用されている自転車288台を調べたところ、変速なし自転車や内装式変速に使用される1/8(レギュラーチェーン)と呼ばれる規格のチェーンの使用率が52.8%と最も高く、ついでリア6~8速ギア用の3/32(ナローチェーン)が44.8%でした。ロードバイクなどに使用される多段用の薄歯のスーパーナローやニュースーパーナローチェーンは合算しても2.4%にとどまり、メーカーの開発意欲がユーザーにあまり伝わっていないことがわかります。

 

大阪の自転車チェーンの使用規格
1/8チェーン
  52.8%
3/32チェーン 44.8%
その他の規格 2.4%

 

調査車両の約半数の48.6%の自転車には変速がなく、変速機付の自転車は内装・外装式問わず100%シマノの変速機を使用していました。またフロント変速がついている自転車は全体の9.3%となり、高低差の少ない大阪を如実にあらわす調査結果となりました。


大阪の自転車のリア変速数
変速なし
 48.6%(※)
外装6速 28.8%
外装7速  8.3%
外装8速 7.6%
内装3速 4.2%(※)
その他 2.4%

※は1/8チェーンを使用

 

国内で多く流通している自転車チェーンはシマノ・和泉チェン・KMCの3社です。他にも製造メーカーはありますが、当店ではこの3社の製品しか在庫していません。
和泉チェンは米国代表とパートナー契約をしている大正5年創業の大阪・阪南市の専業メーカーです。日本製で当ブログの水没実験でも高い防錆性を確認しました。
KMCは台湾No1の専業メーカーで意欲的に新しい製品の開発に取り組んでいる企業です。ミッシングリンクやスナップオンクリップといったメンテナンスのしやすいチェーンジョイントを採用しています。

 

■1/8チェーン
シマノ CN-NX10 (チェーンピン式)  ¥986
和泉 410NP (スプリングクリップ式) ¥1500~2000
KMC  S1  (スナップオンクリップ式) ¥1700

■3/32チェーン
シマノ CN-HG71 (チェーンピン式)  ¥2625
和泉 410C NP  (チェーンピン式) ¥1970
KMC  Z8.3 (ミッシングリンク式) ¥1980

価格は2019年5月5日時点の売価 (税抜き)

 

spring-clip
▲スプリングクリップ式チェーンジョイント

 
※チェーンにこだわりのある方は交換の際、ご指定下さい。
ご指定のない場合、なるべく同じメーカーのチェーンで交換します。
交換工賃は1000円です。

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サビに強いチェーンはどれ? 6種類のチェーンを100日間、水に入れた結果

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自転車には定期的に交換しないといけないパーツがあります。タイヤ・チューブやブレーキシューなどのゴム製品は消耗品であり使用頻度が多かったり、保管状況が悪ければ1年も持たずに交換となります。また、自転車のチェーンも経年劣化や消耗によって伸びたり、さびたりする為、2年に1度程度交換をお願いしています。

交換用としてサイクルショップ203で使用しているチェーンはすべて十分な強度、耐久性を持っていて品質的、構造的には全く問題はありませんが、腐食の状況を調べるため6種類のチェーンを100日間、水に漬けて経過を観察してみました。

cycle chain

日本製の和泉チエンのシングルチェーン1本、完成車でよく使用されているKMC社から4本、そしておなじみシマノの8速用1本。それぞれ「1コマ」ずつカラーの結束バンドをつけ、水にいれました。

 

≪6種類のチェーン≫
黄=和泉チエン シングル用
白=KMC Z410RB
黒=KMC Z410カラー(ブラック)
緑=KMC Z50
赤=KMC Z7
青=シマノ CN-HG71

 

 

bike chain

外気にさらすのではなく水没させるという過酷な状況なので「1週間くらいで錆びてくるだろう」と考えていたのですが、意外と錆びないもんなんですね。

cyclechain

30日が経過したので1度水から出し、腐食具合をチェックしたのですが、目視では外観にほとんど異変はありませんでした。劣化というほどではありませんが、黒のKMC Z410の塗装の一部が剥離しています。

 

bikechain

60日経過、再びチェック。
著しい劣化はありませんが、緑のZ50の内プレートと赤Z7の外プレートの内側にわずかに錆が確認できます。

 

– –

≪結果発表≫

100日経過、観察終了。
それぞれを見てみましょう。

izumichain
6種類のなかで唯一国産の和泉チエンのシングルチェーンです。内プレートにもらい錆びがありますが、手で触れるとサビは簡単に落ちました。ローラーも新品同様に円滑に可動します。

 

kmc z410
500時間の塩水噴霧試験をクリアするラストバスターコーティング採用のKMCのシングルスピード用チェーン「Z410RB」ですが、内外プレートおよびローラーに軽度のサビが見られます。

 

kmc z410bk
KMCの「Z410」のカラーチェーンの黒ですが、「Z410RB」と同様にサビがみられます。塗装も剥離している部分があります。

 

 

kmc z50
6&7速用チェーン「Z50」は今回一番状態が悪く、交換が必要なレベルまで腐食していました。本体価格はZ410RBと同じで最安値(¥1430)ですが、塗装もラストバスターコーティングもされていないためか防錆性は低いようです。

 

kmc z7
6~8速用チェーン「Z7」は外プレートがZ型にシェイプされニッケルメッキ加工がされたチェーンですが、ローラーに軽度のサビがみられ、外プレートの内側ももらい錆びがでていました。

 

shimano cnhg71
シマノの8速チェーン「CN-HG71」は最もポピュラーなチェーンで完成車にも多く使用されています。リンク部分は無傷にみえますが、なぜか内プレート外側にサビがでています。状態としては和泉チェンに次いで良好で走行に影響は全くないのではないでしょうか。

 

※ 写真では伝わり辛い部分もありますので、使用した現物はサンプルとして店においておきます。チェーン選びの参考にしてください。

– –

チェーン選びの注意点としては、まず、リア変速の数によって使用するチェーンの厚さが異なりますので7速なら7速用チェーン、シングルならシングル用チェーンといった具合に適合するチェーン使用してください。取り付けにはチェーン切りという工具で長さ調整をして取り付けを行います。ちなみに、サイクルショップ203ではチェーン交換の工賃は1000円です。

また、自転車のチェーンは月に1回程度注油が必要です。注油をしないと円滑な駆動が行われずチェーン寿命が短くなってします。注油は無料です。

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