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TAG: 旧街道サイクリング

熊野街道サイクリング 【第二王子・坂口王子】

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サイスポこと「CYCLE SPORTS」誌でおなじみの八重洲出版から4月に「旧街道じてんしゃ旅」というムックが発売され話題になっています。私はまだこの書籍を読んでいませんが「其の一 東海道編」というサブタイトルからシリーズ化を予定しているのでしょうか。
サイクリストの疋田智さんも著書「日本史の旅は、自転車に限る!」(枻出版)で、牛車より速く早馬より遅い自転車は歴史探訪には相性がいいとして自転車観光を勧めています。

 

さて、前回の続きです。

 

 

【第1王子】窪津王子 (坐間神社) → 【第2王子】坂口王子 (南大江公園) 所要時間10分

 

スタートから坐間神社までは徒歩で、実質ここからがサイクリングとなります。

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坐間神社~谷町四丁目

坐間神社からそのまま南下します。
一帯は大坂城の城下町で、格子状に通りが形成されています。

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天満橋から谷町筋の西側を平行するように阿倍野方面に向かいます。

平成になり観光振興のため、道端には起点の八軒家からの距離をしめす道標が立てられ散策がしやすくなっています。

実際に熊野街道という通りは現存せず、「だいたい、昔の人この辺りを歩いたのではないか」という概念的なもので、一路違わず熊野街道をゆくというのは不可能です。したがって、散策する上で街道近辺に点在している「王子」というチェックポイントが重要になってくるというわけです。

 

|谷町四丁目~南大江

谷町三~四丁目の西側はカレーの激戦区で「裏谷四」(うらたによん)と呼ばれ、路地裏から雑居ビルの奥までいたるところに個性的なカレー店がひしめき合っています。スタートしてすぐですが、自転車に乗るとすぎにおなかすき、なんでもおいしく感じ食もすすみます。
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街道沿いにある南大江小学校の敷地内に秀吉時代に整備されたとされる「背割下水」という古い生活水路の一部を見ることができます。今では、暗渠になっていますが、内部の様子が、NHK「ブラタモリ」で紹介されていました。令和になった今でも現役で溝として活躍しています。

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この水路が昔は網の目の様に形成され、町境になってました。通常、町境は「通り」を境にすることが多いのですが、商人の街であるこの一帯は、向かいあう店同士が同じ町内会になるように、建物の「背」側に下水路を配置し、商いの活性化を第一に考えられたまちづくりになっています。
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暗渠化された背割下水

 

 

南大江公園 到着

2番目の王子「坂口王子」は南大江小の近くの南大江公園内とされています。

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公園の南西角の入り口の傍らに小さな社があり、見てみると狸坂大明神とありました。

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立て看板によると、明治40年までは、この地に坂口王子の伝承の朝日明神という社殿があったが、此花区に移築されたため、旧地に狸坂大明神を建立したといったようなことが書いていました。

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坐間神社同様に朝日明神も移築、1000年を超える長い歴史の中で由緒ある神社もいろいろあるんですね。こういった情報は書籍やネット上にもなく、現地に行かないとわからない相当ディープな内容だと思います。

たまに大阪は歴史がないと勘違いされている方がいますが、観光化していないだけで、実に京都より長い歴史があります。調べれば調べるほど、複雑に絡み合った歴史の断片が、日々の生活の傍らにポツンとあり、見過ごしていた風景がまた違った景色を見せてくれることがあります。

こういった立て看板を読んだり、社に参拝したりするため、歴史街道サイクリングは普通のサイクリングより大幅に時間がかかってしまうことに気づきました。出発をした時間が昼過ぎだったこともあり、この日はココまでとし、日を改めて次の郡戸王子に向かいます。

 

 

—————————–

 

 

大阪市の九十九王子

第1王子  窪津王子 (坐間神社)
第2王子  坂口王子 (南大江公園) ←今 ココ
第3王子  郡戸王子 (高津宮)
第4王子  上野王子 (大江神社)
第5王子  阿倍王子 (阿倍王子神社)
第6王子  津守王子 (住吉大社)

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熊野街道サイクリング【第一王子・窪津王子】

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いにしえより日本人は疫病や異常気象など天変地異が起こると神に祈りをささげてきました。熊野大社を中心とした熊野信仰は、中世から盛んとなり、2004年には熊野古道を含む霊場が世界遺産に認定されました。登録されたのは三重・和歌山・奈良県の三県にまたがる参詣道です。

しかし、大阪にも熊野古道が存在していたをご存知でしょうか。

熊野古道は6つの参詣道で構成されています。そのうち大阪を含む区間は「紀伊路」と言われ、京都の貴族など多くの参拝者が連なり「蟻の熊野詣」と形容されていたようです。近世になると伊勢神宮への参拝「おかげ詣」に人気を奪われ著しく衰退したようですが、1980年代頃から再整備をし、歴史観光に取り組んでいるようです。

 

 

【起点】八軒家 (天満橋) → 【第1王子】窪津王子 (坐間神社)  所用時間 5分

 

 

紀伊路の起点は天満橋・八軒家浜です。

 

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街道は大阪市内を縦断し、和歌山県田辺まで100km以上にわたり続いているようですが、ただ南下するだけではつまらないので、寄り道をしながらポタリングとなります。(完走する自信ないけど…)

 

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かつては京都から船に乗り、この八軒家の船着き場から、徒歩で何日もかけて熊野まで参拝したそうです。最近ではこの船着き場は、観光船が一日数便出ていて「水都・大阪」を堪能できるようになっています。

 

京阪の駅名にもなっている「天満橋」は写真の右の中央に映っている橋の名称で、「大阪市北区天満橋」とは離れたところに架かっています。歴史的に考察すると天満橋駅というより、八軒家駅といった方がいいかもね。

 

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起点の船着き場には常夜燈が鎮座していて、熊野街道の起点を示すプレートがありました。大川の川沿いは自転車は乗車禁止となっているので、自転車から降りて徒歩でのスタートです。

 

船着き場から南へ歩いてすぐの坐間神社に窪津王子(くぼつおうじ)と言われる熊野詣の1番目のチェックポイントあります。「窪津」の由来は地形が窪んでいたことに由来するらしいのですが、18世紀の古い書物には「久保津王子」という表記もみられるようです。ここから、和歌山県の那智勝浦まで99の王子があり、この九十九王子を自転車で巡り、自転車観光につなぐことができないかを、模索・探求するのが今回のポタリングのテーマです。

 

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「王子」については後述するとして、まずは、坐間神社にて旅の安全を祈願、都会の中の小さな社です。

この神社は、本殿が中央区の南船場にあり、こちらが行宮となっています。南船場の方は何度か行ったことはありましたが、行宮の存在はこのサイクリングで初めて知りました。境内の立て看板には、もともと本殿はこちらにあり、秀吉が南船場に移築したといったようなことが書いてありました。

坐間神社は有名人にも多い「渡辺」さんという苗字の起源としても知られている神社です。

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来年に10か月かけて改築されるようです。
1.6億円もかかるんですね。
また、新しくなったら見に来よう。

 

第2王子の坂口王子へ向かいます。

 

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大阪市の九十九王子

第1王子  窪津王子 (坐間神社)  ← 今 ココ
第2王子  坂口王子 (南大江公園)
第3王子  郡戸王子 (高津宮)
第4王子  上野王子 (大江神社)
第5王子  阿倍王子 (阿倍王子神社)
第6王子  津守王子 (住吉大社)

 

 

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