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自転車パーツ Amazon店 売上ベスト10 【2023年】

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2023年の Amaozn通販の販売点数トップ10ランキングです。
プライムでの出店なので送料もかからず、書籍や日用品類と同送できますので是非ご利用ください。

 

第1位()
ergon gp1
【メーカー】ERGON
【商品名】GP1
【税込価格】5,500円
【特徴】握りやすい形状の定番のコンフォートグリップ

 

 

第2位 ()
mks always
【メーカー】三ヶ島 MKS
【商品名】ALLWAYS
【税込価格】8,316円
【特徴】ミニベロからグラベルバイクまで多目的で使用されるスパイクピン付きペダル

 

 

 

第3位()
wald 137
【メーカー】WALD
【商品名】137 バスケット
【税込価格】6,820~7,700円
【特徴】米国製のフロントバスケット

 

 

 

 

第4位(↑)

【メーカー】WALD
【商品名】37 バスケット
【税込価格】4,950~5,720円
【特徴】米国製のフロントバスケット

 

 

第5位()
FJP600
【メーカー】THERMOS
【商品名】FJP-600
【税込価格】3,960円
【特徴】保冷力の高い真空断熱のステンレス製自転車用スポーツ水筒

 

 

第6位(↑)

【メーカー】TIOGA
【商品名】STEM BAG
【税込価格】3,080円
【特徴】ペットボトルやスマホを入れるのに便利なステム取り付けるバッグ

 

 

 

第7位(↑)


【メーカー】TOPEAK
【商品名】AERO WEDGE PACK S (QUICK CLICK)
【税込価格】3,850円
【特徴】着脱が容易なクイッククリック式のサドルバッグ

 

 

第8位()

【メーカー】MAXXIS
【商品名】DETONATOR (ケブラー)
【税込価格】5,280円
【特徴】耐パンク性、耐久性にすぐれたロングセラーの街乗りスポーツタイヤ

 

 

 

 

第9位(↑)

【メーカー】WALD
【商品名】215 リアラック
【税込価格】6,930円
【特徴】シンプルなデザインのスチール製リアキャリア

 

 

 

 

第10位(↑)

【メーカー】TOPEAK
【商品名】TOPLOADER
【税込価格】5,830円
【特徴】ロングセラーのトップチューブバッグ

 

 


 

自転車パーツ高騰が小休止、品不足が一転在庫過多に

 

コロナの影響で工場停止などでサプライチェーンが崩壊して品不足だった2021年、
インフレや為替の影響で商品の値上げが相次いだ2022年。

2023年は品不足も解消され、商品の値上げも一段落してきました。

しかしながら、需要は低迷、新しいトレンドやヒットアイテムもなく、ランキングもこれといった特徴のない退屈なラインナップとなっています。米国製のWALDのバスケットの販売個数が例年に比べ多かった傾向がみられましたが、24年の年初早々に再値上げをしたため、もはや割安感はなくなってしましました。

新商品の開発など止まっていた自転車業界の時計は再び動き出し始めましたが、世界的な製造コスト増大と円安で、一物一価の国際ブランドの商品がコロナ前より割高になってしまってしまいました。

台湾の半導体メーカーが熊本県に新工場を建てて話題になっていますが、ひょっとすると海外資本の自転車部品工場が国内にできる時代も近いのかもしれません(反語)

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底冷え京都、官民連携「大宮交通公園」

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今月初めにおこなわれた京都市長選は、維新が候補者の推薦を取り下げ、実質「共産vs非共産」という構図となり、自・公・立憲・国民が支持した元内閣官房副長官の松井孝治氏が当選、4期16年務めた門川大作氏に代わり新しい市長となりました。京都市は深刻な財政難・人口流出・オーバーツーリズム(観光公害)など問題が山積みで、新市長の手腕が問われています。

 

 

京都は1950年から7期28年にわたり革新系知事が政権を担い、日本共産党が伝統的に強い地盤があり、本ブログではこの体制から脱却し財政健全化の道筋を立てることが最優先で、具体策として高山義三市長が廃止した市営の宝ヶ池競輪の再開をすべきであると主張しています。

 


競輪場があった宝ヶ池公園 子供の姿はなく野生の鹿が生息

 

競輪場跡は現在、中学生以上の入園を禁止した「子どもの楽園」という施設となり、保護者以外の大人が利用できない公園となっています。この園の利用料は無料で、運営には年間3200万円かかり、隣接の駐車場からの収入1500万円を差し引いても、市民一人あたり64円の負担となっています。これはわざわざ調べたのではなく、どういう意図なのか分かりませんが、楽園の入口に目に付くように掲示されていました。雪のちらつく1月、寒さのせいか子供はおろか人の姿も全くありませんでした。

 


宝ヶ池公園の「子供の楽園」年間3200万円、市民一人あたり64円の負担となる

 

政府は公園施設の財政負担を軽減するため、公園運営を民間事業者に委託する制度「パークPFI制度」を法改正により導入、財政難の京都市でも新制度を活用し北区の「大宮交通公園」が2021年にリニューアルされました。

 


パークPFI制度を活用した「大宮交通公園」

 

大宮交通公園は昭和40年代からゴーカートで遊べる施設として親しまれてきた都市公園で、京都市民が交通ルールを学べる市内唯一の交通公園となります。リニューアル後はゴーカートは廃止され、信号機が設置された自転車ルールを学べるようになりました。公園改装費4.6億円の半分は民間事業者の大和リースが負担、テナントやコミュニティルームを設置し、官民協働により再整備されました。

 

 

大和リースは大和グループの企業で、年間160万円を京都市に支払い公園を運営します。民間企業側はガイドラインに基づいて、駐車場利用料やテナントを誘致して家賃収入などで維持管理するスキームとなっています。園内の伐採した木を再利用した腰掛や遊具など、到底お役所仕事ではできないような雰囲気で、入り口に鬼気迫る怪文書が掲示されていた宝ヶ池とは大違いでした。

 

 

 

寒い一日でしたが園内にはSDGsを意識したカフェがあり、木漏れ日のなかで入れたてのドリップコーヒーが味わえ、普通の児童公園とは全くことなる特別な場所となっています。訪問日は平日でしたが、土日には定期的にキッチンカーやマルシェなどイベントが開催され地域の交流の場所となっているようです。

 

 

公園のリニューアルとあわせて敷地内に消防署を移設、放水訓練や消防車の出動を園内のデッキから見下ろすことができるようになっています。災害時には避難者救護のための応急設備やマンホールトイレも新設され、いざという時の避難場所に指定されています。

 

 

レンタル自転車も4事業者がポートを設置、園内のサイクリングだけではなく、少し離れた金閣寺や上賀茂神社など観光にも利用できます。驚いたのは、テナントとして自転車店の出店があり、自転車の販売・修理もおこなっているようでした。このお店は、自転車技士の私から見ても信頼できそうな立派でおしゃれな外観で、交通公園の要となり、周辺地域のクオリティ・オブ・ライフを高めていました。

 

 

ただ、京都市の人口流出はこの公園の完成後も続いています。この難局を打破できるのか、新しい市長の一挙手一投足に注目です。

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電撃!大東亜の共栄、八紘一宇のマレー作戦「銀輪部隊」

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84年前の今日、2月15日は世界の4分の1を支配した大英帝国に日本が勝利した日です。太平洋戦争は劇的な幕開けで日本軍はイギリスに大勝利、シンガポールを電撃的に侵攻し、指揮官の山下奉文中将は「マレーの虎」と畏怖されました。しかしながら、このような史実を日本人は敗戦を境に一切を忘れることとなります。

大日本帝国は無謀で残虐で愚かで非道、敵う訳もない英米相手に狂ったように暴走し、敗戦は自業自得であり、したがって憲法に陸海空軍その他の戦力を保持しないことを明記、平和主義を標榜し周辺国には謝罪の限りをつくし・・と教育をされてきました。歴史は勝者によってつくられ、敗戦国は戦争を美化することは糾弾され、ただただ反省することが要求されます。

子どもに兵法を教える時代ではないと思いますが、敗戦国にも自国の本当の歴史を知る権利があります。本稿ではお受験用の日本史Bでは習わない太平洋戦争の対英マレー戦を、戦闘で大活躍した自転車部隊の視点を中心に振り返ってみたいと思います。

 


マレー戦で活躍した「銀輪部隊」  森山康平著「秘蔵写真で知る近代日本の戦歴」より

 

日本海軍が真珠湾を奇襲した1時間前、山下中将率いる陸軍は英領マレー半島を侵攻、半島北部のタイに向かうと見せかけ南下、難攻不落のシンガポールを目指し進撃しました。日本はすでに1937年から蔣介石率いる中華民国と事実上戦争状態にあり、満州支配をめぐる主張の違いから国連を脱退し国際的に孤立していました。英米中から経済包囲網(ABCD包囲網)で揺さぶられ、石油が枯渇寸前となりロシアと対峙して北進するか、東南アジアに南進するかの二択となり、東側の諜報工作により北進を断念します。

日本軍は対支一撃で南京を攻略、中国国民党のナンバー2だった汪兆銘を立てて政府を樹立、欧米人による支配からのアジア解放をめざし「大東亜共栄圏」の確立を目指し蒋介石の懐柔を目論見ました(桐工作)。イギリスはオーストラリア先住民を娯楽として殺害、アメリカは黒人を劣悪な奴隷船にて売買、ロシアはウクライナ人を戦争の戦火の最前線に送り込み民族浄化を計るなど欧米列強による支配が世界を飲み込もうとしていました。しかしながら、蒋介石のバックには英米から軍事的な支援(援蒋ルート)があり、日本との和平交渉は決別、日本は孤立を何として避けるためにドイツ・イタリアと軍事同盟を締結し、1945年まで英米中と戦闘を繰り返しました。

 


▲ジョホールバハルを突進する日本軍  朝日新聞 1942年2月6日付

 

当時の日本には「太平洋」で戦っているという意識はなく「大東亜戦争」という呼称が用いられており、日本を盟主に共存共栄の秩序あるアジア経済の確立目指していました。そのためにも、兵站となっているマレー半島の侵攻は重要で、南洋の石油資源の獲得への一里塚でした。

自転車の内製化に成功しアジア最大の輸出国となっていた日本は、陸路での侵攻のために民生用の実用車を軍隊向けに転用、限られた石油資源でゴム林のジャングルの移動手段として、訓練不要で修理が容易な自転車はトラックの替わりとして大活躍しました。

 


侵攻が難しいマレー半島のジャングル地帯

 

イギリス軍は援軍がマレー半島に到着するまで日本軍の侵攻を阻止するために時間稼ぎの策として橋梁や道路を破壊、工兵隊が架橋してシンガポールに到達するまで100日かかると計算して、その間に防備を強化して迎え撃つ予定でした。ところが、日本軍は銀輪部隊は自転車を担ぎ河を渡り、1100kmをわずか55日で進撃、準備が整わないシンガポールは陥落しました。

 


英軍に破壊された橋梁と川を渡る自転車部隊  森山康平著「秘蔵写真で知る近代日本の戦歴」より

 

英軍が銀輪部隊の能力を見誤った原因のひとつに、1899年の対南ア戦「ボーア戦争」で実装された自転車部隊が偵察や負傷兵の護送など地味な任務に限られ、直接的な戦果にあまり結び付かず、その経験により進撃する日本軍に虚を突かれ必要不可欠な対抗措置の立案が遅れた点が挙げられます。

ボーア戦争以前は自転車は高級品で軍需用に実験的に開発された特別車で、活用方法も試行錯誤でした。マレー戦までの30年間に自転車は広く普及、生活にも浸透し誰しもが扱いに慣れ、現地調達も可能になっていました。皮肉にも日本に高品質な自転車を輸出し、その有用性を伝えたのはその頃のイギリスでした。

 

 


自転車でクアラルンプールに侵入する皇軍  朝日新聞 1942年1月27日付

 

マレー戦には勝利したものの、日本国内では軍事力確保のため、自転車の原材料が割当制となり、価格も公定化され自転車企業は採算が悪化、業者は転業または廃業を強要され、大阪府では45%の業者が憂き目を見ました。その後は銀輪部隊が活躍することなく終戦を迎え、自転車産業は焼野原となった日本の主要輸出品目としてふたたび経済を支えていきます。

 

朕深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク 朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四国ニ対シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ

 

日本の大東亜共栄圏の夢は破れましたが、アジア諸国は欧州列強に民族浄化されることなく、植民地支配からの独立を実現しています。そして現在、自転車産業は日・中・台による経済圏を確立して、世界に良質な自転車を供給しています。

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鬼伝説、生駒山地 暗峠「鬼取集落」

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大阪と奈良の境にある生駒山は歴史ある山で、二都を往来する山道が古くから利用されています。代表的なルートは東大阪市枚岡と額田の間あたりから生駒に抜ける国道308号線「暗峠」(くらがりとうげ)で1000年以上前からあり、最近ではヒルクライムの聖地として、全国から挑戦者を集め、ロードバイク愛好家に間ではひそかに有名スポットになりつつあります。最大斜度40%以上という日本屈指の急勾配の峠坂は、路面は一応はコンクリートやアスファルトで舗装されていますが、状態が悪く全国屈指の「酷道」と評されています。

 


ヒルクライマーの聖地「暗峠」

 

本ブログでは生駒山について何度か取り上げ、とりわけ大阪側の管理が悪く、道路の舗装状況だけでなく廃墟や立入禁止が目立ち、せっかくの歴史ある山が台無しとなってしまている現状を投稿しています。再整備して、もっと上手にPRをすれば高尾山や嵐山のように多くの観光客を呼び込むことができると思うのですが、どうにかならないものなのか、関心をもっていただくために、この山にまつわる伝承をひとつ紹介したいと思います。

 

日本に仏教が伝来してから100年ほどたった7世紀半ば、役小角は山岳信仰と仏教の融合「修験道」を大成します。円小角は円行者(えんの ぎょうじゃ)ともいわれ、箕面の滝や熊野の山に伏して、各地に伝承を残しています。小角はよく二体の鬼を従え石仏や絵巻に描かれていますが、この鬼は夫婦で「前鬼・後鬼」といい、もともとは暗峠に棲む人食い鬼でした。鬼は峠で小角を喰おうしたところ改心させられ修行に同行したそうです。

 


役行者ゆかりの教弘寺の石仏   1578(天正6)年作成とされている

 

現在も暗峠の奈良県側には「鬼取」という地名が残っていて、周辺にはゆかりの地が点在しています。生駒山の奈良県側は山腹まで人が居住していて、伝説が残っている鬼取山にも段々畑が広がり、林業や採石業が現在でも盛んです。暗峠の鬼取という字名は霊山らしくおどろおどろしい感じがしますが、実際に行くと牧歌的な集落で、一生かかっても建てれないような立派な御宅が峠道に並び、生駒の新興住宅地を見下ろしています。

 

 


▲前鬼・後鬼が棲んでいたとされる鬼取山

 

公共交通機関やコンビニはありませんが、集落には割と新しい宿泊施設やレストランがあり、都会の喧騒から放たれたゆっくりした時間が流れています。時代に取り残された過疎地の田舎暮らしではなく、最近のサイクリングやアウトドアなどの流行も取り入れ、サスティナブルで理想的な郷となっています。

 


環境に配慮された鬼取集落のレストラン

 

鬼取集落からそのまま道なりに北に行くと、宝山寺という大きな敷地の寺院があり、ケーブルカーで生駒の市街地まで降りることができます。宝山寺は水商売にご利益があるとされる山寺で、参道には精進落としの遊郭が並んでいます。さすがに令和のこの時代ですので、かなり寂れていますが、一部の料理旅館は現役で営業しているようです。観光客は数少ないながらも、廃業した料理旅館の建物の雰囲気を残し、カフェや服屋などに改装して大正~昭和頃のノスタルジックな街並みをなんとか維持しています。

 


ノスタルジックな宝山寺の参道   写真を撮っても怖い人がでてこない(?)唯一の遊郭

 

生駒ケーブルは大正時代にできた日本で最初のケーブルカーで子供や鉄オタにも人気です。実は私はこのケーブカーが好きで生駒市から取材を受け、市の広報紙に掲載されたことがあります。私はそれほど鉄オタという訳ではないのですが、大阪側の旧生駒トンネルも鉄オタならずとも、観光資源として貴重な財産だと思いますが、閉鎖後は立入禁止となってしまっています。例えば、鬼・遊郭・大正時代・列車、と絡めて、人気漫画「鬼滅の刃」のオタクやコスプレイヤー向けのイベントとか開催してはどうでしょうか。

 


経産省「近代化産業遺産」に認定された旧生駒トンネル 大阪側は柵によって立入禁止となっている

 

 

役行者に同行した前鬼・後鬼は、修行により人間となり、奈良の山中に移り住み、現在でもその子孫が宿坊を営んでいるそうです。奈良県吉野郡下北山村「前鬼集落」は、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に認定、大峰山の麓で伝説を語り継いでいるようです。

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1万人収容アリーナは、なぜ京都市ではなく人口6万人の向日市なのか

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大阪にはシマノ・ブリヂストンサイクル・ジャイアント・あさひといったいわゆる自転車業界とは別に、もうひとつ裏の自転車業界が存在します。それは怪盗団「アパッチ族」といった鉄くず収集業を源流とした北鮮系在日コリアン経営の中古自転車チェーンで、追随する新華僑によるチャイナシンジケート系中古自転車店と地下で激しい中古自転車の争奪戦が繰り広げられ、互いに大きな勢力になりつつあり、最大のチェーン店では34店舗を展開しています。

 

【参考】大阪市、撤去自転車売却「6万台」の闇 (2022年1月18日投稿)

 

これら中古自転車の主な供給元は、各自治体が撤去した引き取り手のない放置自転車で、本ブログではこれまでこの循環について、批判的な立場で実態の調査・考察してきました。物価上昇や貧困化で高まる中古自転車需要に応えるため、業者は大阪のみならず遠方にまで入札に向かい、集められた自転車を「山」という単位で取引しています。業者の有力な遠征先は、大学生が多く4年程度使用された良質な中古自転車が多い京都です。関係者に話を聞くと、大阪の山は「中古の中古」で、割に合わないといいます。全国で唯一中心部に国立大・総合大学が一校もない大阪と、大学進学率1位の京都はあらゆる面で相互依存関係にあるといえます。

 


北朝鮮に輸出される中古自転車 [京都・舞鶴港] 読売新聞 2003年6月14日

 

大阪市民としては学びの機会が多い京都は恵まれた環境のように思えますが、それはそれで大変なようで少子化などの影響で、京都市は年間で1万人以上の人口が減少し2年連続全国ワースト1位となり、財政状況が夕張市に次ぐ悪さで予算不足となり破綻の危機が迫っていると報道されています。

京都府は京都市内の振興策として左京区「北山エリア」の再整備を立案、老朽化した植物園や府立大学を建て替え、文化・学術・芸術・スポーツに触れられる空間の創出と地域の活性化を目指し、大型屋内施設の建設を計画しました。計画では耐震基準を満たさない学生数2000人の府立大の体育館を建替え、府民も一般利用できる1万人収容の大型スポーツアリーナを建設、文化イベントや学生スポーツの拠点として新たな交流エリア実現を目指すといったプランでした。国際的なイベントやコンベンションを実施するにあたり、スポーツ庁は全国に大型アリーナを20ヶ所ほど新設する計画で、大型施設のない京都府は候補地となり市内の活性化として一体となった構想計画です。

 

 


▲建替え検討されている築54年「京都府立大体育館」

 

 

ところがこの計画に対して、日本共産党京都府会議員団など5つの団体が署名活動など反対運動を展開、住民説明会では、レストランや売店の設置や敷地内の木を伐採を巡り議論は紛糾、オンライン書名サイト「change.org」では、「京都府立植物園が危ない!生きた植物の博物館の存続にあなたのお力をお貸しください!」と反対署名6.5万以上集めています。

 

 

 

一方で、京都府バレーボール協会など府内の6つのスポーツ団体は、京都市内ではなく京都府南部の人口6万人の向日市の向日町競輪場の敷地内にアリーナを建設するよう府知事に要望書を提出、「周辺環境との調和やアクセス面で、より望ましい」と説明しています。屋内競技団体の請願に対して、西脇隆俊知事は猛烈な反対が展開されている北山エリアに比べ向日市は周辺住民も整備のメリットを感じているとして「スピード感をもって検討を進める」と応じました。

 

 

京都には現存の府営の向日町競輪場とは別に、北山エリアの北東側の宝ヶ池公園内に市営の「宝ヶ池競輪場」があり、市の財政に寄与してきました。しかしながら、同エリアは歴史的に日本共産党の影響力が強く、同党が支援する高山義三市長(当時)が廃止を決定、市の財政状況のみるみる赤貧化し、現在にいたっています。

向日町競輪場も廃止こそ免れているものの全国でも最も悲惨な管理状況にあり、存廃を含めた議論が行われていました。アリーナ建設は抜本的な改革が必要な同施設にとって渡りに船の妙案で、誘致によりこれまで全く見向きもされなかった老朽施設の改善計画が急進する可能性が期待できます。

 

【参考】「京都向日町競輪」の存廃問題  (2023年4月13日投稿)

 

向日町競輪場は2025年に開催される「第24回全国障害者スポーツ大会」の委託会場になっています。この大会は持ち回り制でお隣の滋賀県の主催ですが、同県は2011年に競輪場を廃止し全国で唯一競輪場を保有していない都道府県で、滋賀のパラアスリートにとっては複雑な心境なのではないでしょうか。(個人的にはあまりパラスポーツは興味ありまませんが)いずれにしても、エレベーターや洋式トイレなど大規模な改修が必須といえます。

 


老朽化による廃止が検討されている「向日町競輪場」

 

門川大作市長の退任により、京都では現在、次の市長に向けた各党の候補者選びが本格化しています。先月の奈良県の投稿でも述べましたが、老朽施設を生かすも殺すも行政次第で、京都市民はこれまでのやり方が限界であり、市営競輪復活による財政健全化を最優先すべきではないでしょうか。

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