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ちょうど一年前の2016年6月27日、
インターネットニュースサイト「産経ニュース」が以下のように報じました。

 

公益財団法人「日本サイクリング協会」(東京都品川区)が、コンサルティング会社に運用を委託した資金約3億円のうち、約2億7千万円が回収できなくなっていることが27日、協会への取材で分かった。同社側は協会に対し、当初の説明とは別の事業に投資したと話しているが「返済の意思はある」と説明しているという。

協会によると、平成23年3月ごろ、東京都内のコンサル会社に資産運用を相談した。「シンガポールの銀行の割引円建て債を約2億6千万円で購入すれば3年後に3億円になり、約4千万円の利息も入る」との説明を受け契約。約2億6千万円を入金した。

26年3月には資金が3億円になったとして、この3億円の運用について改めて契約したが、今年3月に同社から「資金は無関係の事業に投資して焦げ付かせた」と説明を受けたという。協会は今年1月までに約3千万円を返却させたが、残りの約2億7千万円は回収できていない。(産経ニュース 2016 6/27)

 

「日本サイクリング協会 (JCA)」は政府監督下の財団法人で、1964年に設立の歴史のある組織です。

サイクリング指導員の育成、サイクリングの研究や大会の開催などの事業を行っているほか、各都道府県のサイクリング協会に日本自転車工業会や競輪(JKA)から得た活動費を分配したり大会を運営したりしている団体です。

50年以上の歴史がある組織ですが、少し前より会員数が減少していて存在感が低下していました。
しかし、自民党の代議士谷垣禎一氏に会長が変わると状況は大きく変化します。

 

jca
▲ JCAの組織図 (ホームページより)

 

ご存知の通り谷垣氏は自民党幹事長を務めていた有力代議士で、大の自転車マニアとしても知られています。

そのマニアっぷりも筋金入りで、大学時代はサイクリングに熱中するあまり留年、自転車のコレクションもデローザのキング,チネリのスーパーコルサ,アレックスサンジェのスポルティーフなど1台数十万円クラスのスポーツ自転車を複数所有し、度々自転車雑誌に登場しては熱弁をふるったり、イベントや公演などにも東奔西走していました。

ここ数年自転車ブームは谷垣会長の力添えがあったからこそで起きたといっても言い過ぎではなく、その集大成が2016年12月に成立した自転車活用推進法でした。

 

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ところが、立役者の谷垣会長は資金問題発覚直後の昨年夏に皇居周辺をサイクリング中に転倒、当初自民党は軽傷と公表しましたが、後日、頸髄損傷の重傷と訂正し長期入院、その後は国会はおろか公の場に一切姿を見せていません。

これらの問題をめぐるマスコミ各社の報道も冷ややかで「産経ニュース」が報じた以外は、読売新聞の取材に対しJCA側が「概ね事実」と認めたことをインターネットで報じた程度で、新聞紙面やテレビなどでは報じられていません。

 

協会資金は戻ってくるのか?
東京都内のコンサル会社とはいったいどのような会社なのか?
またなぜ協会資金の大半といえる3億円もの大金をこのコンサル会社を介し運用したのか?

資金喪失のまでの経緯やJCAとコンサルの関連性など
マスコミ報道がほとんどないため(資金問題を本投稿で初めて知った方も多いと思います)、多くの疑問点が残ります。

また輪界人として運営資金を失ったJCAの継続性と谷垣会長の回復具合もたいへん気になります。