2025年の交通事故死者数は前年に比べて116人減少し、統計開始以来最少の2547人で過去最少となりました。大阪府は120人と都道府県別で第6位でした。2年前の23年の統計では全国ワーストの第1位、日本損害保険協会が公開した「全国交通事故多発交差点マップ」では全国ワースト5に、6ヵ所ランクインする不名誉な状態でしたが改善しています。

 

<2024年 事故多発交差点ランキング>
第一位  池袋六ツ又交差点(東京都) 17件
第二位  谷町9丁目交差点(大阪府) 15件
第ニ位  鵯越交差点(兵庫県)  15件
第四位  安井町交差点(大阪府) 14件 (他4ヶ所)
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大阪府で特に交通事故死者数が多い「谷町9丁目交差点」では年間15件の交通事故死が発生、十字路では全国最多となっています。「谷町筋」と「千日前通」の交差点で、地下鉄「谷町9丁目」の真上にあり、近鉄のターミナル駅「上本町駅」からも近く、昼夜を問わず非常に交通量が多くなっています。

 


交通事故が多発する谷町筋と千日前通の交差点「谷町9丁目交差点」 交通量が多く視認性が悪い

 

谷町筋は御堂筋と並ぶ市内の南北交通の重要幹線道路で、天満橋と天王寺間の上町台地を縦断しています。自動車は専用のアンダーパスが設置されていて交差点の下を直進する構造で、自転車は歩道上に自転車レーンが設置されていますが交差点付近ではレーンは消滅、どこを走行していいのか分からなくなっています。

 


▲自転車走行路があいまいな「谷町筋」

 

もう一方の千日前通は東西に走る幹線道路で「谷町9丁目交差点」から難波方面へはきつい勾配となっています。側道に自転車走行レーンが設置されていますが、交差点付近の走行路上に「駐車禁止」の交通立看板が置かれています。

この地区はラブホテルが密集する府下最大級の売春エリアで、デリバリーヘルス業者の乗用車が客待ち駐車をしています。交差点から15mほど離れた側道には業務車両の駐車位置を指定する白線が記され、この日も女性従業員を後部座席に乗せた車が停められていました。

 


▲駐車車両で自転車走行レーンが利用できない「千日前通」

 

信号待ちをしているフードデリバリーの男性に話を伺うと危険な交差点とは知らず驚いた様子でした。中央分離帯は交通事故でブロックが破損、三角コーンが置かれ血の付着したティッシュペーパーが丸めて捨てられていました。

 

「仕事で毎日通るけど、まさか日本一危険とは…」

 

大阪では自転車の走行レーンを明確にしめした道路塗装をするなど自転車利用環境改善に取り組み、2025年の府内の自転車事故死者数が過去最少の25人、市内でも11人となり減少傾向にあります。交通事故全体も減っている中で、二輪事故死だけが増加しています。

 


▲谷町9丁目交差点の中央分離帯 事故でブロックが破損している

 

大阪府の自転車台数は650万台、対して二輪の普及台数は25万台ですが、二輪事故が昨年+12の42件と増加したことでついに自転車と死者数が逆転、バイクの安全性が再び問われています。これは2024年の道交法改正で、一部のバイクにおいて、ヘルメットが装着義務から「努力義務」となった影響で、特に谷町9丁目付近ではナンバープレートを取得していない違法車両を多く目にします。

これら違法車両はホストや呼び込みなど夜の商売の方を中心に利用され、大阪府警も実質黙認状態で普及が進んでいます。違法車両の使用者が事故死しているのかはどうかは分かりませんが、取り締まる必要性はあるように思います。

 


ミナミの若い男性に利用が広がる電動バイク

 

今春から自転車のルールが厳格化され罰則が強化されますが、自転車事故で命を落とす人などほとんどおらず、亡くなる方の大半は70歳以上の高齢の方です。このような現状を踏まえ、私は70歳以上の自転車ヘルメットを「義務化」すべきと考えます。道交法では「13歳未満」と「70歳以上」は特例的に歩道走行が認められています。13歳未満はヘルメットの着用が義務化されていますが、70歳以上は努力義務です。ともあれ、事故が減っている現状で、反則金の導入は少し的外れで、対策すべきは違法バイクの摘発のように思います。

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