1月24、25日東京・浅草「東京都立産業貿易センター台東館」で開催された「第8回サイクルパーツ合同展示会」に行ってきました。

同展示会は2016年からメーカーと自転車店を結ぶ展示会として始まり、国内最大の自転車部品の展示会となっています。国内メーカーだけでなく輸入業社もあわせて170社以上の企業が参加、新商品が実際に手に取って確かめられ、ビジネスの場として業界では認知されてきています。本ブログでも何度か取り上げていますが、昨年・一昨年とコロナの影響で中止となっていて業界も時計が止まったようになっていましたので、今回の開催はまさに新時代の幕開けといった感じでした。

会場の台東館は浅草の浅草寺の東側、ちょうど東京スカイツリーが見える方向に位置します。展示会は施設の4~7階の展示室で開催、多くの関係者が来場していました。コロナの影響で営業回りを自粛していたメーカーも多く、ここぞとアイテムのPRに熱が入っていました。

個人的な注目を上げますと、ベビーシートでお馴染みの東大阪のOGK技研のサイクルトレーラー「Camily」(キャミリー)は、新しい自転車アウトドアスタイルの提案をしていました。発売から1年程になるそうですが、自治体から防災目的での一括受注など想定していなかった活用方法があり、メーカー側も驚いているそうです。
※サンプルをお借りすることができましたので、2月末まで店でも実際に見ていただけます。

▲ OGK技研のサイクルトレーラー「Camily」
展示会の当日は最強寒波の到来で今年一番の冷え込みとなり、雪のため飛行機や新幹線が欠航や遅延し出展をキャンセルしているブースも散見されました。会場では入場制限こそないものの、感染予防のためマスク着用・検温が義務付けられ、入退出の際は除菌スプレーを使用するなどコロナ対策をとっていました。

「もう、今からでは手に入らないよ」
2023年4月からはヘルメット着用が努力義務化、3ヶ月でヘルメット工場が建設できる訳もなく4月から始まるヘルメット争奪戦を前に、転売屋に遊ばれるくらいなら目先の利益を追求せず、早々と白旗宣言している参加者の声もありました。唯一の国内メーカー「OGK KABUTO」や「GIRO」「ABUS」「LAZER」など海外ブランドも出展されていました。

台湾の新興メーカーや中国の令和最新版に圧されすっかり斜陽産業の代名詞となってしまった日本の自転車産業ですが、ここ数年、工場を持たないファブレス生産により大きな設備投資のリスクを負わず軽いフットワークで設計開発に専念する日本のブランドが台頭し始めています。代表格としてトラスポーターラックという大型フロントキャリアをヒットさせた「ADEPT」です。たまたま帰りの新幹線が遅延し、開発・営業の方と話ができたのですが、生産は中国製ではなくすべて台湾に集中させることで品質や効率性をマネジメントすることでブランド力を向上させていると話していました。

▲ファブレス生産の新ブランド「PDG」
バルミューダや無印良品と、ファブレス生産は家電など各分野では珍しくなくなっています。タイヤはタイヤメーカー、ヘルメットはヘルメットメーカーと分業体制が確立され産業集積を形成してきた日本の自転車産業も新たな段階になっているのかもしれません。



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