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2021年08月の記事一覧

徳島県唯一の競輪場、潮騒と女性実況の「小松島競輪場」

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徳島県に小松島にある「小松島競輪場」に行ってきました。

komatsujima keirin

JR徳島駅から牟岐線で20分、県の東部の紀伊水道に面した人口3.5万のまち小松島。競輪場は市の中心部、南小松市駅より徒歩10分の海沿いに立地しています。

 

komatsushima

江戸時代にたぬきの縄張り争いがあったという言い伝えがあり、市ではたぬきをマスコットにしているようです。初めて知りましたが、この狸合戦の話は何度も映画化されたりしているみたいです。

 

komatsushima keirin

役場や消防署のある市の中心部の通りを東に向かうと大きく分かりやすい黄色の入場門が見えてきます。

四国には5施設の競輪場がありましたが、2012年に香川県の観音寺競輪場が廃止となり、現在では各県に1ヶ所ずつ市営の競輪場があります。自転車競技法が施行された翌年の1949年12月に愛媛県で松山競輪が始まると、高知、高松と競うように矢継ぎ早に造られ、小松島は50年7月に開場、昭和・平成・令和と名勝負を繰り広げてきました。

 

IMG_7918

 

ゲートをくぐり施設に入ると、子供が遊べる滑り台などの遊具があり、マスコットは名物のたぬきをモチーフにした「ポンスター」が出迎えてくれます。入場料は無料で、珍しく競走の実況は女性の方がされています。

 

komatsushima bank

 

バンクは一周400mの屋外型、海からの風がレースに影響を与えることがあるそうです。バンクは藍色にきれいに塗り替えられていました。この日は競走が開催されていて、許可を申請しその写真も撮るにはとったのですが、選手の撮影は「個人で楽しむ限りOK」で「ウェブ掲載はNG」だそうです。最近はいろいろあってそういう決まりになっているみたいです。ちなみに、同施設ではガールズケイリン(女子競輪)は、設備の都合で実施されたことはないそうです。

 

komatsushima port

 

開場から70年が経ち潮風にさらされ老朽化して人影も疎らですが、奈良競輪場のように倒壊の危険があるとかではなく、見ようによっては1周回ってかっこよく見えます。繰り返しになりますが、「Onomichi U2」みたいに少し手を加えれば、もっとこの好立地が地域の活性化につながるのではないかと思います。

 

komatsushima keirin

 

2017年に施行された自転車推進法では、自転車専用道や駐輪場の整備など12の基本方針を明示しています。 国はこの基本理念を実施する責務を有し、各都道府県は「都道府県自転車活用推進計画」し、地方公共団体は区域の実情に応じた施策を策定し住民に理解を深め実施していくように努めなければなりません。

この法律は少し踏み込んだ内容になっていて、12の基本方針の4番目に自転車競技のための施設の整備というのがもりこまれています。

自転車競技の環境の整備」なら分かるのですが「自転車競技のための施設の整備」なのです。つまり、各市区町村は、競輪場(MTBやBMXパークでもいいけど)を図書館や公民館のように設けなければならないのです。

当ブログでは以前に大阪市内の競輪場が全廃された経緯を説明しましたが、大阪市には現在も「自転車競技のための施設」というのはありません。「大阪市自転車活用推進計画」を見ても具体的な計画は全く示されておらず、大阪市はいったいどうするのでしょうか。

小松島のバンクがきれいになったのがこの法の影響かどうかは知りませんが、コロナで競輪が一時中止になった時期があり、この期間を利用してリニューアルした施設も多いらしいので、またほかの競輪場も行ってみたいと思います。

 

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徳島県立近代美術館 特別展「自転車のある風景展」

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徳島近代美術館で開催中の特別展「自転車のある風景展」を見てきました。

art scence with bicycle

南海・なんば駅から南海本線で終着駅の和歌山港駅へ、そこから南海フェリーに乗船し約2時間。目的地の徳島県立近代美術館は、徳島の中心部のJR徳島の南西約3kmほどの「文化の森」と呼ばれている山すその一角にあります。

tokushima

気温35度。
強烈な日差しと暑さですが、徳島初上陸ということで昼食に名物の徳島ラーメンをいただき、美術館に向かいます。

tokushima ramen

なぜ、市の中心部ではなく、わざわざ公共交通機関で行くことが難しいこんな離れた場所にあるのか理解に苦しみますが、田園風景の中に新興宗教の施設のような大きな建物が見えてきました。

bunkanomori

特別展は2021年9月5日まで開催され、入場料は大人900円。常設されているピカソの絵画やイサムノグチの彫刻、地元のアーチストの作品なども併せて見ることができます。支払いは現金のみで、クレジットカード等は使用できません。ちなみに、鉄道・バス・タクシー、ラーメン屋、自販機にいたるまで県内の支払いはすべて現金しか使用できませんでした。

tokushima muse

展示は4部構成

第1部 自転車誕生
第2部 自転車とオリンピック・パラリンピック
第3部 自転車と美術
第4部 自転車とデザイン

料金を支払い入場すると私以外入場者は見当たらず、ゆっくり展示物を見ることができました。

ordinary

第1部は当ブログでも度々紹介している堺の自転車博物館所蔵の貴重な欧州のクラシック自転車が展示。撮影はここまでで展示室内は撮影禁止でした。

ちょうど五輪開催日時と重なるためか第2部は五輪の使用車や記念資料が展示され、この辺りまでは、美術館というより博物館といった感じです。

tokyo 1964 olympic
▲1964東京五輪 自転車競技ロードのゼッケン  自転車博物館にて2020年に撮影

美術館らしくなるのは第3部で、
展示は4つのテーマに分けられていて

①自転車とポスター
②明治・大正・昭和の日本の作品
③20世紀 モダンアート
④自転車写真

となっています。

自転車文化センター所蔵の欧州の販促用ポスターと京都工芸繊維大所蔵の京都競輪場(通称:宝ヶ池競輪場)のポスターが個人的にはこのパートの最大の見どころのように思います。

特別展の目録が店にありますので、見たい方はご用命ください。

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▲シンプソンのチェーン (1900年) (目録の背表紙)

第4部は再び自転車の展示になり、個性的なハンドメイドのスポーツ自転車が中心となっています。展示の自転車は合計で20台ほどでしたが、私はここにあるほぼすべての自転車を今までに見たことがあったので、見せ方を含めてとりわけて特別な印象はなく、予定より短い時間で会場を出ることとなってしまいました。

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▲ 今野真一作 ケルビム「ハミングバード」(2012) 茅ヶ崎美術館にて2017年に撮影

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▲ 栗田秀一作 メビウス「カヴァイシャスフレーム」(1995年頃)  自転車博物館にて2017年に撮影

2021年9月17日から11月23日は八王子市夢美術館にて、同じ内容の展示会が引き継がれる予定となっていますので、関東圏の方はぜひ行ってみて下さい。

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自転車文化センター「競輪の魅力展」

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東京・目黒の自転車文化センターで開催中の「競輪の魅力展」を見てきました

keirin miryoku

 

自転車文化センターは、財団法人日本自転車普及協会が運営する総合施設で、希少な自転車や関連文献の管理や研究をおこなっています。定期的にテーマ展示をおこなっていて、一般の人も自由に内覧できる施設となっています。

 

stratos

2021年6月18日から「競輪の魅力展」と題して、テーマに沿った歴史的な競技車両の現車が展示されています。自転車には説明パネルが添えられ、競輪や自転車に関心のない方でも分かるようになっています。

 

bullet  keirin

当ブログでは、数回にわたって廃止になった関西の競輪場について投稿しましが、主役である肝心の使用機材については殆ど触れていませんでした。センターではとりわけフレームの製作者である「ビルダー」と言われる人(または事業者)にスポットをあて、製作年代などの車両の特徴と合わせて紹介していました。

 

everest tsuchiya

競輪は戦後間もない1948(昭和23)年に福岡県の小倉競輪場で始まりました。発足当初から現在同様に着順を予想するギャンブルで、レースは主に「トラックレーサー」と言われる変速のないスポーツ自転車で行われ、現在でもこのタイプの車両が使用されています。

 

katakura silk

運営は自転車競技法に基づいて地方自治体が主催し、公益財団法人JKAが統括しています。

競技法では
① 自転車産業の振興
② 体育事業その他の公益の増進
③ 地方財政の健全化
上の3点を主な目的とし、国内では例外的に賭博行為が合法化されています。

 

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使用機材の審査は厳格に行われ、フレームは国内の26ヶ所の登録事業者が製作したものに限定されています。事業者はパナソニックやブリヂストンなどの大規模な企業から、職人が腕を振るう町工場までありますが、その多くが関東圏に集中しています。近畿圏はどちらかと言えば構成部品の登録事業者多いのですが、大阪と京都に合計6事業者が現役でオーダーを受けているようです。

 

giro

本日からオリンピックもトラック競技が始まりましたが、日本代表は現役バリバリのプロ選手が出場し、メダルが期待されています。五輪では日本代表は、普段とはまた違うブリヂストン製のカーボン製の特製車両にまたがり熱い戦いを見せてくれます。残念ながら観戦はできませんが、NHKのインターネット放送があるみたいですのでそれを見て応援したいと思います。

 


 

 

自転車文化センター

  • 〒141-0021 東京都品川区上大崎3-3-1 自転車総合ビル1F
  • Tel. 03-4334-7953
  • [開館時間] 11:00〜15:00 [時短営業中]
  • [定 休 日] 月曜日(祭日の場合は翌平日)・年末年始
  • [入 館 料] 無料

 

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