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2022年02月の記事一覧

自転車パーツ Amazon店売上げベスト10【2021年】

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2021年のパーツのAmazon通販のランキングです。
店頭売り上げとは売れ筋が違いますので合わせて参考にしてみてください。

プライムでの出店なので送料もかからず、書籍や日用品類と同送できますので是非ご利用ください。

 

– –

第1位()
tioga fastr
【メーカー】TIOGA
【商品名】FASTR X S-spec
【税込価格】4,730円
【特徴】ほぼすべてのトップBMXレーサーに使用されているタイヤブランド「TIOGA」。実は日本のメーカーです。ミニベロのカスタムによく使用されています。

 

 

 

第2位(→)
erogon ga3
【メーカー】Ergon
【商品名】GA3 grip
【本体価格】4,730円
【特徴】Ergonのマウンテンバイク用グリップ「GA3」は手のひらにフィットする特徴的な形状。豊富なカラー展開で人気が急上昇。

 

第3位()
topeak roady TT
【メーカー】topeak
【商品名】roadie TT mini
【本体価格】4,620円
【特徴】自転車ポンプ史上最高傑作との呼び声も高いロードバイク専用コンパクトポンプ。ツインターボ(TT)テクノロジーにより、圧縮された空気を楽々と入れることができます。

 

 

第4位()
maxxis Detonator
【メーカー】MAXXIS
【商品名】detonator
【税込価格】4,400円
【特徴】耐パンク性に優れたロングセラータイヤ

 

 

 

 

 

第5位()
wald 137
【メーカー】WALD
【商品名】137 バスケット
【税込価格】6,050~6,930円
【特徴】米国製のフロントバスケット

 

 

 

 

第6位()
topeak flashstand slim x
【メーカー】TOPEAK
【商品名】FLASH STAND SLIM X
【税込価格】6,490円
【特徴】クランクに取り付けて使用するロード向けポータブルスタンド。

 

 

第7位()
Ergon ga2
【メーカー】Ergon
【商品名】GA2 grip
【税込価格】4,070円
【特徴】人間工学に基づいた形状のマウンテンバイク用グリップ。豊富なカラー展開で人気上昇。クロスバイクにもご使用いただけます。

 

 

 

 

第8位()
ergon gp1
【メーカー】ergon
【商品名】GP1
【税込価格】4,950円
【特徴】人間工学に基づいた形状のコンフォートグリップの決定版

 

 

 

 第9位()
topeak toploader
【メーカー】topeak
【商品名】toploader
【税込価格】3,960円
【特徴】自転車バッグの主役がサドルバッグからトップチューブに取り付けるタイプになってきています。スマホ等を収納するのに向いているのかも。

 

 

 

第10位()
tioga adv
【メーカー】tioga
【商品名】ADV stembag
【税込価格】2,530円
【特徴】ステム脇に取り付けて使用する多目的バッグ。ペットボトルやスマホ等を入れるのに便利。

 

 


 

アジアの規範「台湾製」の圧倒的なパフォーマンス

コロナ禍で利用者が増加している通信販売ですが、サプライチェーンが不安定になり自転車パーツの供給にも影響が出てきています。大幅な納期の遅れや生産中止が相次ぎ、各社は緊急措置として、仕様や価格の変更など異変がみられるようになってきました。そのなかでも、オードリー・タンIT大臣の迅速な判断でコロナを最小限に抑えたことで注目された台湾は、世界最高水準の高品質な自転車パーツを安定して供給しています。

第1位のTIOGAのタイヤも台湾製。人気のErgonも米国企業ですが製造はすべて台湾で行っています。日本製で一番売れているのは第11位の三ヶ島「ALLWAYS」ペダルで、昨年後半から販売数が伸びていますので今年のランキングでは上位に入ってくると思われます。

TIOGA「FASTR X S-spec」の最新版「FASTR X black label」が今秋発売予定となっています。

 

tioga bmx
畠山選手も五輪で使用したTIOGA「FASTR X ブラックラベル」は10月上市予定

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メッセンジャーの日常を描いた小説「ブラックボックス」芥川賞受賞

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1月、第166回芥川賞が発表され、地方公務員の砂川文次さんの「ブラックボックス」が選ばれました。砂川さんは、1990年大阪府生まれの男性で元自衛官だそうです。

作品の舞台はコロナ禍の東京、自転車メッセンジャーのエースとして都内をひた走る主人公サクマの等身大の日常を描いた作品となっています。

IMG_9234

自転車便メッセンジャーは1990年代に国内で解禁となり、映画「メッセンジャー」(1999年)は、当時のトップアイドルグループ「SMAP」の草彅剛メンバーが主演し注目されました。都会的でスタイリッシュなスポーツ自転車を使用した新業態は、郵政省独占だった郵便事業に風穴を開け、ファッションとしても「メッセンジャーバッグ」というショルダーバッグが流行しました。

この映画は国内の自転車業界にも新風を吹き込みました。panaracer「T-serv」タイヤやsugino「RDメッセンジャー」クランクセットなど自転車便をコンセプトにした今までにない商品がいくつか生まれました。その中でも後の輪業に大きな影響を与えたバイクがGIANT「FCR」というメッセンジャーバイクです。

giant fcr

このバイクはインターナショナルモデルであるロードバイクの「OCR」のハンドルバーをストレートハンドルにモディファイした国内向け商材で、マウンテンバイクが主流だった当時の日本のスポーツバイク市場に大きなインパクトを与えました。そしてさらにコモディティ化したモデル「ESCAPE」は、「クロスバイク」という新市場をつくり、スタンダードモデルとして定着しました。これによりGIANTは子供車や低廉なマウンテンバイク類型車を製造しているアジアのインチキ臭いメーカーというイメージから脱却し、欧米の一流メーカーと伍するブランドと認識されるようになります。

 

しかし近頃、大阪では自転車便メッセンジャーを見る機会がめっきりと少なくなっています。

インターネット通信、脱ハンコ、テレワーク。時代の流れのせいか、かつては複数存在していた自転車便業社も今では、個人で数名が稼働している程度になっているそうです。都市の規模は違えど、東京もこのような状況は同じで、小説でもこのような時代背景がサクマを苦しめます。

Yahoo!ニュースをスワイプする、レッドブルの缶をゴミ箱の丸穴に入れる、給料が安いながらもトラブルで職を転々としていたサクマが手に入れたメッセンジャーという自由で誇りある理想的な日々は、反抗的な性格が原因となり、離職。そして、それまで見下していたUBER EATSのデリバリーパートナーをしながら無気力な生活をしているサクマをドン底に落とす報告が突きつけられるというのが本作のあらすじです。

芥川賞受賞の大作ですが、私でもスイスイ読めるくらいに読み易い文体で、急展開する中盤以降は理想と現実が交錯しながらクライマックスとなり、将来なき現代日本の儚さをサクマという人物を通して描いています。

小説には「ケイデンス」や「アーレンキー」といった難しい自転車用語や「バッソ」「キャノンデール」といったロードバイクに関心のない読者なら耳にしたことないような自転車のブランド名も登場しています。逆に自転車好きには、あるあるネタのような描写が随所にあり、読み進めているうちに自然とサクマが自分自身と重なり引き込まれていきます。

タイトルの「ブラックボックス」とは外から閉鎖され見えない空間や状態のことと作中では表現されています。
自転車業界では、クランク軸の回転部品「BB」の別称をこのように表現することがあります。BBはボトムブラケット(BottomBracket)の略称で、ヒトでいうと心臓のような重要な役割があり、構造が複雑でガタが発生するなど不調が起きやすい部品です。フレームの中に入っているため目視点検ができず、規格も乱立しています。故障していると分かっていても、外さなければどの規格が使用されているのか判別できない場合も多く、一度外すとビックリ箱の様に戻すことができなくなってしまうためブラックボックス(BlackBox)と揶揄されています。スポーツ自転車用語というより、ママチャリ販売店で「クランクにガタのある自転車」を指す隠語なので、砂川さんがこれを意図してタイトルに使用したのかは分かりません。

急転直下の後半は、私を含め自由気ままに働いている人にはリアリティがあり肝を冷やします。特にUBERの配達員などワークスタイルを最近変えた人には示唆的で、読むとその後の行動が変わるかもしれませんので是非読んでみて下さい。

 

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甲子園を沸かせた「智辯」とは、一体なんなのか【聖地ポタリング】 

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昨夏の高校野球の決勝は和歌山代表の智弁和歌山と奈良代表の智辯学園の兄弟校対決となり、和歌山校の勝利で幕を閉じ、歓喜の輪をつくらない優勝シーンがとても印象に残り話題となりました。前年には元メジャーリーガーのイチローさんが指導するなど注目も集めました。野球だけにとどまらず、ブラスバンドの応援は「ジョックロック」は魔曲と評され、礼儀正しく進学率も県下屈指となっています。

そして、イチローさんは同校の教職員と草野球チーム「kobe chiben」を結成しまた話題を呼びました。

 

和歌山、奈良、神戸とくれば「大阪」はないのだろうか ― 大阪人としてはそんな疑問がわいてきますが、残念ながら、智弁学園は奈良と和歌山にしかなく、野球チームも存在しません。しかし、大阪は無関係ではないようで、そのあたりを調べにサイクリングに行ってきました。

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中之島の大阪の市役所から川沿いにサイクリング道が敷設されています。この自転車道は「北大阪サイクルライン」と呼ばれ、千里の吹田市の万博記念公園までつながっています。コースは23kmほどでほぼ平坦「大川」から「淀川」に入り「鳥飼大橋」を左折し北上します。

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淀川に架かる「鳥飼大橋」は、守口市と摂津市をつなぐ無料の橋で、この橋がおよそ万博までの中間地点となります。淀川の河川敷をそのまま行くと京都方面に行くことができ、むしろ万博側に行くサイクルリストの方が少数派となります。というのも、鳥飼大橋~万博公園の区間は一般道で、自転車で走行しやすいような道路整備環境があるという訳ではないからです。

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大阪人には説明するまでもありませんが、万博公園は1970年に開催された「大阪万博」の跡地で、現在は有料の自然公園となっています。近代芸術の最高傑作「太陽の塔」をシンボルに、周囲は大阪大学やJリーグチーム「ガンバ大阪」のホームスタジアムなどがある計画的に開発された地区となっています。特に公園南側は2009年に商業施設「エキスポシティ」が開業、16年にはガンバの新競技場「パナソニックスタジアム吹田」が完成、そして昨年5月には「万博記念公園前周辺地区活性化事業」計画を発表し2027年にホテルやオフィス、1万8000人収容の巨大アリーナなどスマートシティ構築をうたっています。交通インフラは現在のところ「大阪モノレール」のみですが、将来的には拡充も予定しているようです。

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そもそもなぜ、大阪平野の北の端のこんな場所で万博が開催されたのでしょうか。国立大学も一般的には県庁所在地に立地しているもので、「ガンバ大阪」も他のチーム倣うなら立地都市を冠し「ガンバ吹田」となります。私はこの公園のすぐ近くの箕面市の南東部の小野原出身で、高校時代には公園内でアルバイトをしていたこともあり、その頃からそれがずっと引っかかっていました。

立地としては吹田市と茨木市の境界に位置し大阪中心部から20km、神戸や京都からも40kmと京阪神の中心に位置しているだけでなく、モノレールを利用すれば「大阪空港」経由で全国の空港から日帰り利用もできます。確かに、新都市の立地としては打ってつけなのかもしれませんが、私の生まれる前、母の世代はこの一帯は野山や田畑で、万博候補地としてそれほどふさわしかったとも思えません。

そこで一つ頭に浮かぶのが、昭和期に目覚ましく発展した新宗教「辨天宗」の存在です。

panasonic studium

パナソニック創業者の松下幸之助は、自身が「経営の神様」と崇める一方で、浅草寺の雷門に提灯を寄贈したり、天理教の教えを会社経営に導入した「水道哲学」を提唱するなど信仰熱心な人柄だったといいます。なかでも、高野山真言宗系の新宗教「辨天宗」を礼賛していたようです。

そして、その「辨天宗」の本部は、万博公園のすぐ北側の茨木市に所在しているのです。

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「辨天宗」は昭和初期の1934年に奈良県の大森智辯に弁才天が憑依し興った新宗教です。

大陸から伝来したそれまでの仏教が寺院や僧侶を中心となりお経を唱えたり宗教行事をしていたのに対し、辨天宗のような貧困層の教祖が突然覚醒するタイプは宗教学では「民衆宗教」と言われているようです。このタイプの新宗教の起こりはペリー来航の頃まで遡ります。
米国と不平等な「日米和親条約」を締結以来、銀の大量流出で国内情勢が不安定になり、幕府が倒れます。そして近畿地方を中心に各地でこのような新宗教が次々と誕生します。代表的なものを列挙しますと、1838年奈良県「天理教」、1859年岡山県「金光教」、1892年京都府「大本教」、1916年大阪府南部「PL教」などこれらの新宗教は今でも多くの信仰を集めています。私は宗教の専門家ではないので「辨天宗」が民衆宗教の部類なのかどうかは良くわかりませんが、教祖憑依型の仏教の中でも比較的新しいといえます。

そして、辨天宗は、万博開催が千里に決定した同じ年の1964年にこの地を本部とします。

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高速道路の高架をくぐると、車の数は少なくなり小高い丘を道なりに進むと寺院にしては割と新しめの施設が見えてきます。参拝は無料で、古刹と同様に本堂に本尊が祀られているようです。私は信者ではありませんが、ひとまず賽銭を投げ入れコロナ終息を祈願、敷地は広くこの日は私以外にも数名の参拝者がいました。

もうお気づきだと思いますが、智弁学園は辨天宗によって宗祖の大森智辯の名を取り開校した高校です。

大森については、他界した石原慎太郎が作家時代に産経新聞にて連載の「巷の神々」(サンケイ新聞出版 1967年)にて、特殊な能力について記しています。石原は感謝祭でこの地を訪問し、「盲」や「おし」そして癌といった現代医学では対処できない不具を治癒したという話を大森に面会し、仰天の奇跡の逸話の数々を聞いたとしています。私も年齢のせいか肩コリがひどいので治して欲しいのですが、智弁は1967年に亡くなり、現在は大森光祥という方が代表を務めているようです。

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本堂の横には信者会館というコンクリート造りの建物が鎮座、さすがに中には入れずおずおずと端にある土産物店を遠目で見ていると、光祥代表かどうかは分かりませんがお坊さんが会釈をして通り過ぎていきました。

 

境内にはひときわ目立つシンボルの塔が立っていて、聖地を表象しています。

chiben

新宗教というと最近では「創価学会」が躍進していますが、一方で多くの民衆宗教は「オウム真理教」による「地下鉄サリン事件」(1995年)などの影響もあって、PL学園の野球部休止や淡路島の大観音立像解体など宗教離れが表面化してきています。このような新宗教にとって甲子園は教団の広告塔という重要な役割を担って、PLの野球部休止は教団の弱体化を意味し、信者獲得という面でも痛恨といえます。

本堂とシンボル塔の間には、笹川良一が母を背負い歩く銅像があります。
笹川はモーターボート競走の生みの親で、もともと同地区選出の政治家でした。

sasakawa

松下幸之助と同様に辨天宗を信仰し、シンボル塔も1970年に笹川が寄贈したようです。笹川は自身を東洋一の金持ちを自称し、各方面に多額の寄付をしていました。政界にも顔が利き、フィクサーとしての一面もあり、万博誘致にも笹川の影響力があったとされています。

陰謀論のような話になってしまいますが、千里で万博が開催されたのは、もしかすると辨天宗の影響があったのかもしれません。

新宗教の本部というと何かもっと魑魅魍魎としておどろおどろしく怪しい場所を連想していましたが、行ってみると至って普通の施設でした。ただ、寺院建築は木造でないと雰囲気が出ないと感じました。

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