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大阪市は2023年1月より、放置自転車を見つけ次第撤去する「リアルタイム撤去」を開始、自転車撤去に関するいわゆる「自転車法」を拡大解釈した条例を制定、市内広域に駐輪禁止エリアを拡大し「放置自転車」を次々に撤去しています。本ブログでは2022年1月の投稿「大阪市、撤去自転車売却6万台の闇」にて、現状と問題点を指摘し、過剰撤去の背景にある在日静脈産業の調査を続けています。

 

 


北朝鮮に輸出される中古自転車 [京都・舞鶴港] 読売新聞 2003年6月14日

 

 

8日、横山市長は不適切な自転車撤去が組織内で慣習となっていた可能性があるとして組織ぐるみの不正を陳謝、業務報告書には虚偽の記載をしていたことが発覚しました。

 

「市政全体への信頼を揺るがす非常に深刻な事態で大変申し訳ない。外部の意見を取り入れ、信頼回復に向けて事実関係の把握に向けた調査と再発防止を徹底していきたい」

 

今回の不正陳謝の2年も前から私が過剰撤去を指摘できたのは、実際に自転車を撤去された方の証言と2020年に国土交通省が公開した自治体の自転車撤去台数です。大阪市の撤去台数が6万台以上に対して、人口で上回る横浜市が10分の1以下の5665台、いくら大阪人がマナーが悪く、自転車依存率が高くといってもこの数値の差に違和感を感じずにはいられなかったのです。

 

 

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大阪市 6万1590台
神戸市 8799台
横浜市 5665台
さいたま市 3261台
広島市  1294台
浜松市 1195台
(令和2年 国土交通省 交通安全対策室資料)

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放置禁止区域の拡大は撤去事業を市が民間委託にした2006年頃から始まり、市内の無料駐輪場を次々と廃止、歩道上に有料駐輪場が設置され民間事業者が管理運営する独自方式を確立し、自転車利用の抑圧を計画的に実施してきました。そして圧倒的に不足する駐輪場にあふれた利用者の自転車を海外ブローカーに払い下げることで、財政に悩む市の収入としてきました。撤去自転車を売却する自治体は大阪市以外にない訳ではありませんが鉄くずとして分解後に廃棄されることが一般的で、私が知る限り大阪市のように払い下げが産業化している自治体はありません。

 

 

 

 

不適切な撤去は少なくとも3年以上前から慣習化、処分対象となる職員は氷山の一角で実際は複数人の職員が関与し継続的に虚偽報告を繰り返したとしています。市は撤去記録の不正の実態を調査、賠償の検討も進める方針示していますが、偽装工作のために防犯登録シールを剥がす行為もあったと報告されています。大阪府の防犯登録シールは非常に特殊な素材を使用していて容易にはがすことは難しく、思い付きでなく計画的な犯行であると断定ができます。

 

「わざわざ取りに来るのは不便だろうと判断して防犯登録シールをはがした」

 

大阪府では2008~12年までの5年間、大阪府府警が自転車盗など計8万件以上の事件を少なく装う戦後最大の偽装事件「大阪府警 治安偽装事件」が発生、内規に基づいて幹部を含む関係者が処分されています。

大阪でこのような自転車に対する不正が相次ぐ原因に、自治体に「自転車推進室」や「自転車推進局」といった専門事業部が存在しないために利用者視点にたった自転車まちづくり政策が未整備で、そのしわ寄せが不正や違反につながっているように思います。端的に自転車を厄介モノ扱いしてきたツケが回ってきているのです。

自転車を放置する行為は良くないことかもしれませんが、私は彼らが悪人だとは思いません。いたって普通の市民で、自分自身だと思っています。重要なのは誰しもがストレスなく過ごせる社会構造の構築であり、健全な自転車利用ができる安心できる環境整備の推進ではないでしょうか。私の店は防犯登録所であり、現場の人間として、是非、意見を取り入れていただきたいと思います。

 

 


 

 

毎日新聞 5月19日 朝刊
自転車 不正撤去 大阪市2019~22年 職員、慣習化か 

 

 

 

朝日新聞 5月9日 朝刊
放置自転車 不適切に撤去 大阪市、期限待たず2200台

asahi 20240509

 

 

 

| 産経新聞 5月9日 朝刊
自転車 不正撤去 大阪市職員、放置期限待たず

 

 

 

 

| 読売新聞 5月9日 朝刊
放置自転車 不適切撤去 大阪市職員 期限待たず