サイクルショップ203の
ガジェット・小ネタBLOG

TAG: 岡山

競輪場に泊まれる玉野競輪「HOTEL 10」

Pocket
Bookmark this on Google Bookmarks

(前回投稿の続き)

玉野競輪場「HOTEL 10」は世界初の競輪場に泊まれるホテルです。

 

 

昨年開業したこのホテルはスタンドの一部を建て替えた新しい施設で、客室から瀬戸内海が望め競走の開催日はベランダから熱い戦いを観ることができます。ホテルの運営は食堂「FORQ」と同様に株式会社MIXI傘下「チャリロト」が受託、解体前の廃材をおしゃれに再活用した内装になっています。

 

 

8階建ての施設の客室は100室ほどあり、公式サイトから予約をして宿泊しました。ハイシーズンの夏休み中でしたが朝食付で8000円台と地域最安値、直島で宿泊するよりかなり安く泊まれるのではないでしょうか。競輪場東側には海岸公園がありますが、個人的には対岸の直島のビーチ(夏季無料シャワーあり)の方がおすすめです。どちらにしても、ほとんど海水浴客はいない、プライベートビーチ状態です。

 

 

客室は第1コーナーを眼下に見ろす位置となり、おそらく声援も選手に届いていると思います。宿泊部屋はビジネスホテルのような感じでしたが開放感がありベランダで座って景色を眺めボーっっとしているだけで気持ちよくなります。デラックス・スイート部屋も格安料金なので、空室があるならそちらがおススメです。

 

 

部屋にはテレビモニターが設置され、競輪の中継も見ることができます。館内着はポロシャツで、あとは普通のビジネスホテルと同じような感じでした。注意点としては、競輪開催日は大浴場が使用できないので、部屋のシャワーのみとなります。

 

 

ゲームコーナーやライブラリーといった付属施設はありませんが、廊下の壁面がギャラリーとなっていてアート作品が飾られています。ロビー横には売店があり、館内着のポロシャツやセンスのよい雑貨類が購入することができます。

 

 

チェックインの時に領収書を出せば、宇野駅からのタクシー代を1000円まで返金してもらえるようです。また、宇野駅 – 競輪場 – HOTEL10を走るジャンボタクシーも利用ができます。

 

 

近年、競輪はMIXIだけでなくソフトバンク、楽天、サーバーエージェントといったIT企業が担い手となっています。公営競技はインターネット投票が解禁となり、少なくとも全体で600万人が参加しているそうです。このような状況で売上げはV字回復していますが、競輪場の入場者数は減少し続けているようです。玉野競輪場の一連の取り組みは成功事例として、各主催自治体のロールモデルとなるように思います。

CATEGORY

玉野競輪場の食堂「FORQ」

Pocket
Bookmark this on Google Bookmarks

競輪場によく行く方は場内の食堂というと、うどんやどんぶりのような学食のようなところをイメージされるのではないでしょうか。老朽している施設では戦後から変わらないバラック小屋で、ギャンブル飯といえば低価格で昔ながらのB級グルメが相場となっています。

(前回の続き)

玉野競輪場の食堂「FORQ」はこれまでの競輪場のイメージを覆すレベル違いのレストランとなっています。

 

 

レストランはバンクを眼下に望むホームストレッチ側の2階にあり、競走の開催されていない日でも営業しています。宇野駅から少し離れているため利用者はそれほど多くなく広々としたおしゃれな店内で、バンク側が一面ガラス張りで瀬戸内海を借景にレースを見ることができます。

 

 

座席はテーブルとカウンターがあり、モニターでレース中継を見ながら食事をとることができ、同じフロアに車券売り場もあります。オーダーをするとフードコート用の呼び出しベルが渡され、着席して待っていると他に客はいなかったため、注文品を持ってきてくれました。

 

 

 

岡山の地元野菜や近海で獲れた魚介類などB級どころか「S級S飯」の素材を生かしたメニュー、クラフトビールやレモンサワーなど女子会やコンパにもおススメです。値段もチェーン店の居酒屋くらいで、割と料理の量もガッツリ目です。宇野港周辺には数店舗飲食店がありましたが、こんな海を見ながらゆったりできる空間は他にあるのでしょうか。

 

 

メニューも豊富、ディナーは、野菜グラタン¥1300、森林鶏(ってなんや?)のフライドチキン¥880、フィシュ&チップス¥1000といった感じのスパイスの効いた洋食で、競輪場のグルメの王道のモツ煮込みとか焼きそばとかはちょっとなさそうです。

 

 

夜は9:30ラストオーダー、行き交う船や地元選手がバンクで練習している光景をぼんやり眺めながら夕食を食べることができます。ランチ・カフェもこだわりのメニューでドリンクは飲んだことない複雑な味のジュース、コップ1杯の中に密度の違う刺激的なフレーバーが交錯し濃淡あるまさにケイリンのように予想の難しい味でした。

 

 

卓球台もありレースの合間の時間つぶしをすることできます。無料ですが、混みあってるときはテーブルとして使用されているかもしれません。

 

 

この食堂はランチ・カフェ・ディナーと宿泊者限定のモーニングがあります。

宿泊者?!

競輪場に宿泊??

玉野競輪場はホテルが併設されていて泊まることができるのです。

 

朝食付きで1泊8000円代と地域最安値「HOTEL10」に泊まってきました

(次回につづく)

CATEGORY

リゾート&アート「玉野競輪場」の温故知新

Pocket
Bookmark this on Google Bookmarks

岡山県玉野市の「玉野競輪場」に行ってきました。

 

 

玉野競輪場は1950年に開設された岡山県下唯一の競輪場で、玉野市が競走を主催しています。玉野市は人口およそ5万人、1988年に瀬戸大橋が開通するまでは連絡船が往来し造船業も盛んな港湾都市でしたが、現在では市の歳入のおよそ3割を競輪事業会計に依存しています。対岸の四国側には高松市営「高松競輪場」があり、宇野港を経由しアートで世界的な脚光を浴びる香川県の直島に行くことができ、観光収入が新たな収益源となっている港町です。

 

 

競輪場は宇野港から徒歩15分ほど離れた海沿いに位置します。JR宇野駅から送迎バスも出ているようですが、この日は最高気温35度でバスも待てないほどの灼熱地獄だったのでタクシーで直行、10分もしないうちに施設が見え、外周をぐるっと廻って料金1000円でした。

 

 

バンクは一周400mの屋外型で、ちょうど台風が接近していて、強い海風が流れ込んでいました。入場料は無料、ナイター設備がありガールズケイリンも開催されています。2022年にスタンドが改修され、空調の効いた海を望む最高のロケーションからレースを観覧でき、本場開催日のこの日はファンでほとんど埋まっていました。

 

 

 

「あか、がんばれー」

 

競輪場のマスコットは選手をイメージした「ガッツ玉ちゃん」。家族連れもファンもいて、子供の声援が場内に響きます。トイレも清潔で、喫煙者スペースも設けられています。野球やサッカーなどのスポーツ競技場なら当たり前の光景でも、迷惑施設と疎まれ続けてきた競輪場はエレベーターがあるだけでもマシな方で、屋根や壁が穴だらけで戦後期から放置され、取り残されている施設の方が多かったりする現状があります。

 

 

施設内には競輪の歩みやレースのポイントを分かりやすくパネル化したキャラリーを併設、主催の玉野市は競輪の観客による集客だけででなく、競輪事業による潤沢な収入で港湾整備や芸術祭、観光振興等に取り組み高い波及効果をみせています。

 

 

2022年のリニューアルは単なる改修工事ではなく、公営競技場のあり方を大きく転換するような急進的なテコ入れで、建て替えにはモンストやマイミクで一世風靡したIT企業「株式会社MIXI」傘下の「株式会社チャリロト」が参加、施設の包括的な運営を行っています。

 

 

本ブログではこれまで、岸和田奈良京都向日町小松島といった昭和臭する施設の現状を紹介してきました。玉野競輪場は行政から見放された老朽化公営競技施設の運営に新たな希望を与える成功事例といえます。しかし、玉野競輪場はこれだけではありません。同施設の本当のスゴさを2回にわたって詳説していきたいと思います。

CATEGORY

RECENT POST

CATEGORY

TAG CLOUD

ARCHIVES